こんにちは、こつぶです。
毎日必ず訪れる穿刺の時間。
皆さんはどのように感じていますか?
わりとよく聞く意見です。
これまで透析室で60名以上のスタッフと働きましたが、穿刺が「好き」という人はほんの数人でした。
透析室で働くうえで避けることのできない穿刺業務。
この業務があることを理由に透析室を離れるスタッフを何人もみてきました。
そのぐらいストレスのかかる業務です。
「どうしたら苦手意識はなくなるんだろう」
「自分はうまくなるんだろうか?」
「穿刺をする前に緊張して穿刺どころじゃなくなってしまう。」
穿刺に対してこのようなストレスを感じている人へ、解決案を答えます。
ポイントは平常心を心がけることです。
ストレスを感じる原因はなにか?
穿刺にストレスを感じる原因はなんなのでしょうか?
・失敗したら患者さんに申し訳ないという気持ち。
・失敗したら次の血管はないという不安。
・患者さんから「あなたはこないで」と言われた。
・血管に針が入らない。
・いつも同じ患者さんの血管で失敗してしまう。
根本原因は2つあります。
・精神的な原因
・技術的な原因
技術的な原因は、適切なステップを踏むことで解決していくことが可能です。
しかし、精神的な原因は取り除くことがとても難しいです。
穿刺は他のスタッフと比較されやすい
患者さんからすると治療中のチェックやアラーム対応、回収はどのスタッフでもあまり差がありません。
しかし穿刺業務は
・痛みを伴う。
・穿刺者によって患者さんの痛みが異なる。
・穿刺をするのが難しい血管と簡単な血管がある。
・穿刺が成功しないと治療が始まらない。
・穿刺がうまくいかなくても2日後にはまた会う。
という特殊性があります。
患者さんからするとスタッフによるうまい人、下手な人の差を感じやすい業務です。
スタッフからすると、ほかの人と比較されることは大きなストレスです。
自分の中で不安が大きくなる
穿刺をするときにこんなことを考えたりしたことはありませんか?
・失敗したらどうしよう
・失敗したらどう思われるんだろう
・私がいったら嫌な顔をされるんじゃないか
・もっとうまい人がいったほうが痛くもないし、いいんじゃないか
というこれらの不安が、穿刺時に心を動揺させ平常心を奪います。
平常心を失くすと、本来の技術を出せずに穿刺失敗につながります。
穿刺の苦手克服には、技術だけを磨いてもだめなのです。
精神的な原因の処方箋
悪い想像をしすぎない
穿刺に入る前のイメージは結果に影響します。
プロのスポーツ選手は「イメージトレーニングをかかさない」と聞いたことがありますがとても大事です。
私の場合は、イメージトレーニングでも悪い想像ばかり浮かびますが、その時に成功のイメージだけでなく「失敗した場合は次にここを刺そう」など考えられる状況を想定しています。
苦手なのは自分だけではないと考える
以下は私の経験や仲間スタッフに聞いた不安を感じる時にでる症状です。
・針を刺す手が震える
・胃が痛くなる
・前日に寝れなくなる
・お腹をこわす
私自身もまだ出ることがありますが、他の人も同じ不安を感じていると思うと少し楽になります。
患者さんと良好な関係を築く
これは穿刺だけでなく治療として大事なことでもあります。
信頼関係があると、少なくとも穿刺時の患者さんの緊張感と、穿刺者に浮かぶ不安は減少し、平常心を保つことに繋がります。
技術を向上させる
技術をつけて自身を持つことは浮き上がってくる不安を軽減します。
血管に入れること以外考えない
極論ですが、穿刺時にこれができればかなり「精神的な原因」を小さくできるのではないかと思います。
いわゆる集中力ですね。自分はまだ完全にできませんが、難しい血管や患者さんの対応をするときは、深呼吸してできるだけこの状態を意識しています。
いつも同じ動作をこころがける
緊張していると穿刺時の自分の動作がいつもと違ったりします。
これに気付いたら、たぶん動揺しているので深呼吸でもしていったん落ち着きましょう。
苦手を克服するには「平常心」を心がけること
書いていても嫌な思い出が蘇ってきます。
私の場合は血管だけを見れば簡単だと思えるのに、患者さんの気持ちを勝手に想像し不安を大きくしてしまうケースが多いです。
精神的な不安を抑え込まないと、手が震えたり気持ちが負けて失敗に至ることもたくさん経験しています。
その時こそ深呼吸をして「苦手なのは自分だけでない」と思い込むことで、プレッシャーを減らすよう心がけました。
すると、だんだん失敗もへり、技術もついてより不安が減っていくという循環が少し生まれたようにおもいます。
穿刺技術を発揮するには精神的な安定「平常心」が不可欠です。
まずはこのことを意識して業務に臨んではいかがでしょうか?
穿刺に悩んでいるのは少数ではありません。
私は今、「苦手」を完全に克服したわけではありませんが、他の人の助けもあり施設の責任者として安定して穿刺をこなすことができています。
この記事が、読んでくれた皆さんの穿刺に対するプレッシャー軽減に少しでも役立てば幸いです。
それでは!
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