【透析室新人看護師】穿刺上達に「センス」は必要ないと思う理由

穿刺針の選び方

「あ~もう!穿刺ぜんぜんうまくならないし透析室やめよっかな!」

 

看護師
今日も穿刺がうまくいかなかったわ~

臨床工学技士
ま~た同じ人で失敗しちゃったよ。
俺ってセンスないなぁ。。。
多くのスタッフ(看護師、臨床工学技士)は穿刺業務に大きなストレスを感じています。
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そういう私も穿刺に悩まされた1人。
穿刺前にお腹を壊したり、胃が痛くなったりはしょっちゅう。
そんな中、頭をよぎるのが
穿刺上達にはセンスが必要なんじゃないか?という疑問
特に新人スタッフに多いこの疑問に答えます。
この記事を読めば、穿刺上達のためのヒントが得られると思います。

こつぶ
記事を書いている私は透析経験12年目の臨床工学技士です。
透析施設の現場責任者をしており、
50人以上のスタッフの穿刺の悩みを聞いてきました。
目次

そもそも穿刺の「センス」とは何か?

スポーツや芸術の世界では「天才や才能」と呼ばれることもあるセンス。
そうよばれる方を見ていると、「スーパープレイ連発」とか「特徴のある絵」など
他の人にはまねのできない個性を感じさせます。
では、透析の穿刺で「センスがある(センス〇)」と言われる人はどんな人でしょうか?
  • 血管の横から芸術的な穿刺を決める?
  • 鮮やかに刺す?
もちろんそうではありません。
私のこれまでの経験の中での答えはこんな感じ。
「センス〇」と言われる人
  • 初めから穿刺成功率が高い
  • 難易度の高い血管をどんどん成功させていく
  • 初めての血管でも成功率を高い成功率を維持する

つまり、はじめっからうまくて上達が早いんです!

 

センス〇
  1. 初めから成功体験が多い
  2. 穿刺に自信が持てる
  3. さらにいろいろな血管を成功させる
  4. さらに自信を持つ
センス?
  1. うまくいかないことが多い
  2. 嫌になる
  3. 穿刺したくなくなる
  4. 苦手意識をもつ

     

    という流れですね。

    (もちろんセンス〇の人も、うかれているとすぐに伸び悩みますが・・・)

     

    う~ん、うらやましいですな!

     

    正直、もし同期にこんな人がいたら比較もされるし

     

    自信なくしちゃいますよね・・・

    苦い経験

    今でこそ現場責任者の立場で対応していますが、
    始めたころは「絶望的にへたくそ」でした。

    センスがないとダメなのか?

    こんな「センス〇」な人たちを目の当たりにして

    私にはセンスがないからもう辞めよう。。

     

    と思うのはちょっとまってください。

     

    なぜかというと、

    苦手な血管があっても、経験を積むことで、ある程度対応できるようになるからです。

     

    例えば50名の患者さんが通っている施設があるとして

     

    ・センス〇なひと

    4か月で50名の患者さん全員を対応可能になった。

     

    ・センス?な人

    1年と時間はかかったけれども、50名の患者さん全員の対応が可能になった。

     

    できるならセンス〇の道を歩きたいですが、1年後の結果は同じです。

     

    スポーツや芸術と違い、穿刺に求められるのは安定して血管に留置するという結果です。

     

    最終的に高い成功率を維持できるようになれば、

    患者さんにとって「センスのあり・なし」は関係ないですね!

    同期としてスタートして
    「センス〇でいいなぁ」。
    と思っていた人とも5年くらいするとあまり成功率は変わらなくなりました。
    「やっぱりうまいなぁ」とは思いますけどね。
    患者さんからも、どちらもうまいと言ってもらえました。

    ただ経験をつめばうまくなるのか?

    経験をつめばうまくなるなら慌てることはないのか。
    よかった~。

     

    と安心する前にしっておいてほしいことがあります。

     

    「ただ経験を積んでいくだけの人」と「失敗経験を無駄にしない人」ではどうちがうか?

     

    「失敗経験を無駄にしない人」の方が

    • 上達のスピード
    • 到達する穿刺のうまさ

    が明らかに高いレベルになります。

     

    ただただ経験を積むだけでは、残念ながら上達はあまり見込めません・・・

    成功だけでなく失敗からも学ぼう!

     

    じゃあどんなことを意識したらいいのか?
    なかなかうまく上達していかないスタッフに多い理由がこれ。
    成功した時はいいけども、失敗した時の原因を追究しない
    失敗した直後はメンタル的にもへこんでしまい

    それどころじゃないよ・・
    と思う気持ちもわかります。
    が、失敗の原因を振り返るのはとても大事です。
    たとえば、失敗にはこんな種類があります。
    1. 血管の左or右に針があり、血管を捉えられなかった。
    2. 血管は捉えたが、後壁を貫いてしまった。
    3. 穿刺の際に血管が動いてしまい失敗してしまった。
    4. 駆血が弱く、血管の怒張がよわかった。

    このような理由がみていると多いですね。

    理由を推測することで、次回穿刺に行くときに気を付けるべきポイントが浮かんできます。

     

    1.血管の左or右に針があり、血管を捉えられなかった。

    の理由では、穿刺針を皮膚に差し込む位置がずれていることが推測されます。

    ⇒次は針をいれる位置を意識しよう!

    2.血管は捉えたが、後壁を貫いてしまった。

    という理由では、血管にはアプローチできたが内筒を進め過ぎたor刺入角度が大きすぎた。

    刺入角度を小さくして、針をゆっくり進めよう!
    という具合に対策まで立てることができます。
    また、何回も穿刺をしても同じ理由の失敗が続く場合は
    その人のクセという可能性が大きいです。
    (どの人を穿刺しても毎回針穴が右よりになっている。など)
    この場合意識してクセを改善することで、いっきに穿刺成功率があがる人もいました。
    失敗した時こそ分析することを心がけると良いと思います。

    まとめ:「センス」よりも「原因を分析する習慣」をもとう

    今回の記事をまとめると以下のとおりです。

      • センス〇は上達が早い(気を抜かなければ)
      • 穿刺の目標は「血管に針を留置する成功率を高めること」
      • 上達のスピードは違うが、安定して可能になる
      • センス〇もセンス?も毎回、特に失敗した時の分析が上達への近道

     

    透析業務で穿刺は避けることができないので、大きなストレスを抱える人も多いと思います。

    透析室を離れる理由にすらなりますが、

    うまくなってくると患者さんからもとても信頼される材料にもなります。

     

    ここまで、過去の自分や相談に乗った後輩を思い出しながら書いてみました。

    少しでも見てくれた方の参考になるといいなと思います。

    それでは!

    過去に自分も読み漁った穿刺についての本です。

    血管の写真やアプローチ方法などの具体例も満載なので

    併せて読むと、なお上達の近道になります。

     

     

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    この記事を書いた人

    妻と子供の3人くらし。仕事をしながら積極的に育児参加!
    豊かな生活を送るためブログを開始。本業しながら継続を目指してます。生活・育児、仕事(透析)、ブログ&SNSについての情報発信中。

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