【透析室新人看護師向け】透析機器はどんなことをしているの?これがわかるとアラームも理解しやすくなります。

こんにちはこつぶです。

 

透析室に配属になると、透析機器に触る必要があります。

しかし、

はる
透析室で働くことになったけど機械は苦手だから不安。。

 

はる
そもそもあの機械ってやたら大きいけどなにしてんの?いきなり大きい音なったりするし!

 

とくに看護師さんは「患者さんのケア」が専門です。

「機械はちょっと」という看護師さんはとても多いです。

苦手意識を解決するポイントは

透析機器がなにをしているか知ることです。

 

この記事を読むことで、透析機器を身近に感じることができます。

 

目次

透析機器の機能は「コントロール」と「みる」こと

自分の施設で使っている透析機器のメーカーはご存じですか?

1つのメーカーだけでなく、いろいろなメーカーが作っています。

日機装、東レメディカル、JMS、ニプロです。

こんなにあると

はる
ただでさえ苦手なのにいろんなメーカーがあるんだったら余計にやだなぁ。

 

と思う方もいると思います。

でも安心してください。

「車」にも日産、トヨタ、スズキなどいろいろなメーカーがありますが、全部「車」ですよね?

アクセル、ブレーキがなどの「走る」機能。

スピードメーター、サイドミラーなどの「安全を守る」機能。

が基本となっています。

ほかにドライブレコーダーなどオプション機能をつけることで安全性をあげることもできます。

 

透析機器も車と同じで

メーカーが違っても、透析機器がやっていることは基本的に同じです。

「コントロールする」機能と「みる」機能がついています。

 

「コントロール」しているもの 【設定する項目】と考えてOK

透析機器は治療に必要な条件を調整しています。

  • 血流量
  • 除水速度
  • 透析液の流れ
  • 透析液の温度
  • 抗凝固剤の投与

説明していきます。

「血流量」をコントロール

血流量はQbのことです。

主に装置の画面の下につまみがあり、ひねることで設定します。

「除水速度」をコントロール

除水速度は体から余分な水分を引く早さのことです。

単位は【㍑/時間】で設定します。

例えば0.5【㍑/時間】の場合は、1時間に0.5リットル(500ml)の水分を取り除くという設定です。

「透析液の流れ」をコントロール

透析は、ダイアライザに透析液を流すことで毒素を取り除いています。

この透析液を流す速さをコントロールします。

実際は、治療や患者さんごとに変更することはほぼありません。

変更するとしたら、特にonlineHDFを使用する患者さんに臨床工学技士が変更するくらいだと思います。

 

「透析液の温度」をコントロール

透析は患者さんの血液を体の外に取り出して行う治療です、

体の外にでた血液は、外気にさらされるので室温に近づきます。

そうすると、患者さんには外気に冷やされた血液が体に戻るので「寒さ」を感じます。

ダイアライザでは「血液」と「透析液」が(中空糸を介して)接触します。

そこで、透析液を温めて血液と接触させることで血液を温めることができます。

また、血圧低下時の対応の一つに「透析液温度を下げる」方法があり、温度調整することもあります。

 

「抗凝固剤の投与」をコントロール

透析では体の外に血液を取り出す際、回路内で血液が凝固しないよう「ヘパリン」などの抗凝固剤を投与します。

透析機器はこの投与速度をコントロールします。

「シリンジポンプ」がついているということです。

 

「みている」もの 【治療中の安全】を守ります。

透析装置は「治療中の安全」に必要なものを見ています。

  • 透析液温度
  • 透析液濃度
  • 抗凝固剤投与状況
  • 回路内の空気
  • 回路内の圧力

これらを透析機器が見た結果、異常を感じたら「アラーム」をならしてスタッフに異常を知られてくれます。

「透析液温度」をみる

透析液はダイアライザで血液と(中空糸を介して)接触します。

透析液の温度制御がうまくいかなくなり、ヒーターで透析液を温め過ぎた場合どうなるでしょうか?

血液に高温の透析液が触れことになります。

それを防ぐために「透析液温度設定どおりにコントロールされているか」を監視しています。

 

「透析液濃度」みる

透析ではダイアライザを介して「血液」と「透析液」が触れさせることで体の毒素を取り除きます。

他の働きとして、【電解質を調整する働き】があり、血液中のNaやKなどの電解質を透析液の組成に近づけます。

これには【拡散】という原理を使用しています。

そのため、透析液の濃度が狂うと患者さんの血液中の電解質を調整することが不可能なばかりか危険な状態につながります。

それを防ぐために、【透析液濃度の監視機能】がついています。

 

「抗凝固剤の投与状況」をみる

抗凝固剤の投与ラインがつまっていないか?

抗凝固剤の残量はあるか?をみます。

注意点はシリンジポンプのように「しっかりシリンジが装着されているか?」を見ることができません。

シリンジを正しくセットしないと治療中にシリンジが外れてそこから出血したり、うまく抗凝固剤を投与できない事例につながります。

 

「回路の中の空気」をみる

血液中に「空気」が入ると体に悪影響を及ぼします。

透析は体の外に血液を出し入れする治療です。

血液と一緒に体に空気を送り込む危険性が常にあります。

それを防ぐために、血液回路の体に一番近くなる部分に「気泡センサー」がついていて、小さい気泡も見逃しません。

 

「回路内の圧力」をみる

車を運転する場合、運転状況を確認するのは私たちの「目」です。

 

透析治療では、回路中の血液の「流れ」を圧力という力でみており、これを静脈圧といいます。

静脈圧は回路内の状態を推測する「目」であり、この数字の意味をしることで回路内の状態を推測することができます。

(【静脈圧】は新人スタッフがまず理解に苦しむ項目でもあるため、詳しく知りたい方はこちらを参照してください。作成中)

 

シンプルに考えよう。

透析機器の基本的な働きは「コントロール」と「見る」機能です。

「見る」機能は、コントロール機能が正常に動いているかどうかをチェックする安全装置とも言えます。

 

ほかにも、オプションで「治療中の血液量を推測する機能」、「血液の再循環をみる機能」などつけることができます。

新人看護師さんがこの記事で少しでも透析機器を身近に感じてくれると幸いです。

 

それでは!

 

 

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この記事を書いた人

妻と子供の3人くらし。仕事をしながら積極的に育児参加!
豊かな生活を送るためブログを開始。本業しながら継続を目指してます。生活・育児、仕事(透析)、ブログ&SNSについての情報発信中。

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