細い針から太い針まであるけどどんな基準で選べばいいの?
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- 穿刺針選びに役立つ知識
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- 穿刺針の役割
- 穿刺針の選びかた
- 穿刺針の長さは関係しないの?
本記事を読めば、今後、「穿刺針の太さ選び」で悩むことはなくなりますよ。
この記事を書いている私はこんな人です。
・こつぶ( fa-twitter@kotublo)
・透析室経験 12年
・臨床工学技士
・透析クリニック責任者
・50人以上の後輩の、穿刺の悩みに答えてきました。
穿刺針選びに役立つ知識 【 抵抗 】
透析では回路内に血液を流すことで治療を行いますが、透析で取り扱う血液を含め、液体は流れる際に抵抗を生じます。
「抵抗=血液の流れにくさ」と思ってもOKで、抵抗は設定血流量を上げると増加します。
透析治療で発生する抵抗は、大きく以下の2つです。
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- 血液を取り出す際に発生【脱血抵抗】
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- 血液を送り出す際に発生【送血抵抗】
血液を取り出す際に発生【脱血抵抗】
血液を取り出す時も抵抗は発生し、設定血流量の増加に伴い抵抗(脱血抵抗)は上がります。
ゆっくり吸うより、早く吸う時の方が薬液を吸いづらいですよね?
これが、透析でいうと体から血を取り出すときに発生する脱血抵抗です。
この脱血抵抗が大きくなると、血液を取り出すのにより大きな力が必要となりますが、血液ポンプで「吸い出す力」にも限界があります。
そのため、「脱血抵抗」よりも「吸い出す力」が弱い場合には、設定した血液量が実際には取れていないということが発生することもあります。(見た目にはわかりづらい)
予定した治療効果が得られていないということを意味するので注意しなくてはいけません。
血液を送り出す際に発生【送血抵抗】
体から血液を取り出す脱血とは逆ですが、体に血液を送り出す送血でも抵抗は発生(送血抵抗)。
設定血流量の増加に伴い送血抵抗は大きくなり、「血液を送り出す力」も大きく必要となります。
ゆっくり送るより、早く送る時の方が力が入りますよね?
これが、透析でいうと体に血を送り出すときに発生する「送血抵抗」と「送り出す力」です。
透析治療では「送り出す力」を静脈圧で推測していますが、あまり大きくなると血球成分への負担懸念などがあります。
大きくても200mmHgくらいには抑えたいところと言われており、「送り出す力」をできるだけ小さくするのも安定した治療には必要となります。
穿刺針の役割
「穿刺針の太さ」は、血液の流れに伴って発生する抵抗に関係。
同じ設定血流量条件のとき、針が太くなるほど発生する抵抗は小さくなります。
細い針より太い針を使った方が、薬液を吸いやすいし送りやすいですよね?
脱血の場合は以下のようになります。
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- 針の太さにより、取り出せる設定血流量に限界がある
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- 穿刺針は細いより、太い方が血液を取り出しやすい
- できるだけ太い針が望ましい
次に送血の場合です。
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- 穿刺針は細いより太い方が血液を送りやすい
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- 穿刺針は太い方が静脈圧を低くできる
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- できるだけ太い針が望ましい
つまり、体外循環のしやすさだけ考えると穿刺針は太いものを選んでおけば間違いないということです。
穿刺針の選び方
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- 設定血流量に対して針の太さは合っているか?
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- 血管に穿刺可能か?
設定血流量に対して針の太さは合っているか?
設定血流量と脱血針を選ぶ基準です。
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- 17G:~180ml/min
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- 16G:180~240ml/min
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- 15G:240~350ml/min
17G⇒15Gに行くにつれて針は太くなります。
表をみるとわかるとおり、設定血流量が350ml/min以下であれば
15Gを選んでおけば間違いないということですね。
血管に穿刺可能か?
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- 患者さんの痛みの程度
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- 血管に穿刺可能か?
✔️ 患者さんの痛みの程度
針の太さは患者さんが感じる痛みに影響します。
太い方が痛みが大きくなりますね。
✔️ 血管に穿刺可能かどうか?
これは太い針のほうが一般的には難易度があがります。
無理せずに血管を確保できる穿刺針選択も患者さんのことを考えると必要ですね。
(穿刺が少し苦手という方はこちらも合わせてご覧ください。)
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「穿刺針の太さ」選び方まとめ
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- 設定血流量と穿刺針の太さの関係
- 特に脱血用穿刺針の太さは重要
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- 患者さんの痛みの程度
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- 血管に穿刺可能かどうか
透析の治療効果だけを考えるのであれば一番太い穿刺針を選べばOK!
そこに患者さんの痛み、穿刺ができるか?を加えて検討し、太い針が難しそうなら1G下げるという選び方が良いと思います。
ここまで見ていただきありがとうございます。
それでは!
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