【透析】患者さんに穿刺拒否されないために気を付けたい3つのこと

こつぶ
こんにちは、こつぶです。
透析室で働いていてこんなことありませんか?

新人看護師さん
前に先輩が穿刺に失敗して、
患者さんに「もう穿刺に来ないで!」
って言われてたわ。私も失敗した時に言われないか心配になっちゃった。

 

こんな悩みに答えます。
この記事を書いているわたしは、
透析経験10年以上で透析施設の責任者としている臨床工学技士です。
過去に患者さんから
あの人(スタッフ)は「穿刺にもうこないでほしい!」と
相談されたときに、共通していたポイントをまとめます。
目次

毎回失敗する。

患者さんからの意見で多いのが1つ目の理由が

患者さん
あの人がくるとだいたい失敗される。
何とかしてくれ!
という意見。

当然といえば当然ですが、毎回失敗するのはよくないです。

もちろん失敗してしまうスタッフも、わざと失敗する気も一切ないため、悩んでいるでしょう。

 

「穿刺失敗」続くとできる悪循環と対応策

失敗が続いているのに、穿刺に行き続けると最悪の場合こんな悪循環ができます。

  1. 患者さんが身構える
  2. スタッフのプレッシャーも上がる。
  3. 余計に成功確率がさがり失敗する
  4. 1に戻る、または、どこかで「もう来ないで」と言われる

 

経験上こうなってしまうと、精神面のプレッシャーも大きくなるので

すぐに立て直すのは困難です。

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こうなった場合私の施設では、

  • 無理に行く必要が無ければ、いったんその患者さんの穿刺は控える
  • 時間を見つけて、その患者さんの血管をよくみせてもらう
  • 上手くさせるスタッフにアドバイスを求める
  • 患者さんとコミュニケーションをとり、次に穿刺に行くタイミングをうかがう
  • できれば次回行くときは、その患者さんから特に信頼されているであろう人と一緒に行く

ことをしています。

 

どうしても苦手な血管もあるとおもうので、他のスタッフで対応できるなら

穿刺に関しては距離を置くのも必要です。

 

しかし、人数は少ないですが「自分の技術向上のため」に行き続けるスタッフがいます。

あまり意見を言えない患者さんの場合、

「ずっと失敗に耐えていた」なんてこともあります。

 

これは医療者として技術以前の問題です。

 

患者さんは穿刺の痛みに耐えています。

間違っても「自分の技術向上のため」に行き続けるのはやめ、

そんな人がいたら止めましょう。

自信も無いのに皮下で血管をさぐる。

あなたは採血や献血をされた経験はありますか?

 

私も毎日穿刺10人程度していますが、自分が採血されるときは

はやく終わってくれ~」と思っています。

 

数秒でもとても長い時間のように感じます。

穿刺はすんなりとすぐに成功したとしても痛いですよね?

 

ということで、患者さんから「あの人は穿刺に来ないでほしい」

といわれることが多い理由の2つ目が、

「皮下で血管をさぐる」です。

 

穿刺中に皮膚の下で血管をさぐらない方がいい理由です。

  1. とっっても痛いし、長い時間に感じる
  2. 血種形成などを引き起こすことも

 

順番に見ていきます。

1.とても痛いし長い時間に感じる

想像してください。

 

 

スタッフ
さしますね。

・・

・・・

スタッフ
すいません、もう少し頑張ってください

 

 

 

スタッフ
痛みありますか?もう少しです。

 

 

 

 

スタッフ
すいません、抜きますね

 

スタッフも患者さんのことを考えて「なんとしてもこの1本で!」と思って

結果的にそうなります。

 

でも患者さんの立場からすると

さんざん痛みに耐え、終わったと思ったら

「すいません、抜きますね」はかなりつらいです。

 

これまで聞いた患者さんの話では

「たまに失敗してしまうのはしょうがないのは分かっている。

でもそんなときは、いじると痛みがすごいからすぐに抜いてほしい。」

 

という人は多いです。

 

うまく入らないと分かった時は、すぐに抜いたほうがいい場合もあります。

2.血種形成など引き起こすことも

皮下で針先を操作する場合、とくに気を付けた方がいいのが

血管を見失っているのに皮下で針先を動かし続けることです。

 

これをすると、いずれ針先が血管をかすめて血種形成を引き起こす危険があります。

血種は、シャントにダメージを与えますし、次の穿刺部位も狭めていきます。

もちろん、血管のイメージができていれば、

最短の針先操作で留置につなげることが可能な時もあります。

 

私の場合、他のスタッフが血管をそれてしまったときは、

「針先修正できる」という確信に近い感覚があれば

血種形成に細心の注意を払って留置しなおしています。

 

「これはどうかな?」

というときは、ほぼそのまま失敗して抜くことになるので、

修正をせずにすぐに針を抜くことが多いです。

 

皮下での針先修正はよっぽどの自信がなければ避けた方がいいですね。

 

一度針を抜いて、しっかり止血しましょう。

「いいわけ」ばかりする

患者さんから「あの人は穿刺に来ないでほしい」

といわれることが理由の3つ目。

 

あまり多くないのですが

「失敗した後のいいわけ」です。

 

 

穿刺の痛みに耐えた後、どうやら失敗したらしい。

こんなことを言われたらどう思いますか?

 

スタッフ
血管には入ってるんだけどうまく(血液が)引けないんですよね。

スタッフ
血管が細くてうまく入りませんでした。

 

スタッフも一生懸命やっているので、
でてしまう言葉なのかもしれませんが
どちらも患者さんからしたら、どうしようもないし関係のないことですよね?
とくに「患者さんの血管のせいにする」のは本当に最悪。
これまでの信頼関係もぶち壊す可能性すらあります。
穿刺に失敗してしまったら、いいわけをせずに素直にあやまりましょう。

大事なのは日頃の信頼関係

ここまで、患者さんから「あの人は穿刺に来ないでほしい」
と言われる行動をまとめました。
穿刺はスタッフもかなりの精神的ストレスを感じる業務です。
一生懸命やっているのに
「あの人は穿刺にこないでほしい」
といわれることもあり、ショックで透析室をはなれる理由にもなりえます。
しかし、経験上は日頃から患者さんとコミュニケーションがとれているスタッフは
「あの人はこないでほしい」とまでいくことは少ないです。

簡単に例を挙げると

  • 毎回治療中に、自分の状況を見に来て声掛けをしてくるスタッフが失敗した。
  • いつも全然見かけないし名前もしらないけど、急に穿刺にきて失敗した。

 

同じ失敗でも印象は全然違います。
コミュニケーションをとることは、治療をする上で、
書くまでもなく大事な基本です。
いろいろと他にやらなければならないことも多いと思いますが、
しっかりと実施していきたいですね。
今回は以上です。
ここまで見ていただきありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは!
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この記事を書いた人

妻と子供の3人くらし。仕事をしながら積極的に育児参加!
豊かな生活を送るためブログを開始。本業しながら継続を目指してます。生活・育児、仕事(透析)、ブログ&SNSについての情報発信中。

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