もし手に血がついた針を刺して感染しちゃったら今後の人生に影響しちゃうよ。
どんな場面で「針刺し事故」が起こるのか知りたいな。
この記事を書いている私はこんな人です。
・こつぶ( fa-twitter@kotublo)
・透析室経験 12年
・臨床工学技士
・透析クリニック責任者
・大学病院、5つの透析クリニックで勤務経験あり。
透析室経験は長いので参考になるはず!
透析患者さんの死因第2位は「感染症」
患者さんを守るために感染対策をしっかりしましょう!
このような勉強会って結構開催されてますよね?
でも
あんまりみたことないなぁ。
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- 針刺し事故
-
- 血液が飛散して目に入る
説明していきます。
「針刺し事故」が起きるタイミング
穿刺をする時
いきなり当たり前ですいません。
穿刺の際には針刺し事故に注意しましょう。
- 普段よりも穿刺に集中している場合
- 針を捨てる時
- 血糖測定用の血液を針から取る時
- 一人が手駆血をして、もう一人が穿刺をするとき
✔️ 普段よりも穿刺に集中している場合
「もう3本目だし絶対に外せない」
「初めての患者さんの穿刺、緊張するなぁ」
こんな場面だと、余計に緊張感が漂います。
そしてなんとか穿刺成功。
緊張の場面を乗り越え、ホッと一安心。
針を捨てようと、振り返った先に他のスタッフがいて刺してしまう。
こんな経緯で針刺し事故が起きたことがあります。
穿刺針を確実に破棄するまで油断は禁物。
気が抜けるタイミングは要注意です。
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✔️ 針を捨てる時
穿刺針の内筒を破棄する方法は施設により様々。
私が経験した方法は下記の通り。
- 針捨てBOXを持ち歩き、針刺し後すぐに捨てる
- 装置に固定の針すてBOXがあり、すぐに捨てる
- 不安定な箱に使用した針を入れて持ち運び、穿刺時間終了後まとめて感染ゴミ箱に捨てる。
- ケース入りの針の場合、ケースに内筒をしまいゴミ箱まで持っていきすてる
1.2は安全性高めで安心。ただしこんな場合は注意です。
・BOXの中がいっぱい → 針があふれて刺さる
・針を捨てる動作が雑 → 針がバウンドして刺さる
針刺しの危険が高いのは3.4です。
なんとか責任者に相談し、別の方法にしてもらいたいところですね。
✔️ 血糖測定用血液を針から採取する際
血糖測定用の血液は、留置した外筒にシリンジを接続して採取するのが安全。
ですが、臨床では抜いた内筒からそのまま採取する場合があります。
針先がフリーな状態になりますので気を付けましょう。
✔️ 手で駆血をした状態での穿刺
過去に数例みたことがあります。
一人が穿刺、一人が患者さんの血管を手で駆血している場合に起きます。
なんと手駆血をしているスタッフの手に、患者さんの血管を狙っているはずの針が「ぶすり」です。
手駆血をする際は、穿刺針の位置に注意しましょう。
補足
穿刺時の針刺し事故防止として、今は「針刺し防止機能付き穿刺針」も販売されています。
この穿刺針は、外筒から内筒を引き抜いた際に針先がガードされる構造になっています。
私自身は、このタイプの針を採用している複数の施設で働きましたが「穿刺針による針刺し事故」の報告は聞いたことがありません。
値段は「針刺し防止機能」が付いていない針よりも高いですが、採用施設は拡大中。
安全性は高く、もし使用していない場合は検討する価値はあります。
調剤する時
調剤をする時も「針刺し事故」が起きやすいポイント。
・プレフィルドシリンジの薬剤を使う
・金属針でなく、プラスチック針を使う
これらが対応として挙げられます。
特にプレフィルドシリンジの採用は
・調剤時間の短縮
・調剤に伴う感染の機会を減らす
などの利点もあるので積極的に採用してもらいたいところです。
廃棄した後の感染ゴミ置き場
血液や体液が付着したゴミは感染ゴミ箱へ。
中でも鋭利なものはプラスチックの専用ゴミ箱を使います。
感染ごみはすて方を間違うと大変なことが起こります。
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- ダンボールの感染ゴミ箱に間違って針を捨ててしまった場合
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- 血液回路の鋭利な部分を処理せずに廃棄してしまった場合
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- 鋭利な感染ゴミ箱を満タン状態にした場合
✔️ ダンボールの感染ゴミ箱に間違って針を捨ててしまった場合
前提として鋭利なものは入れないという決まりですが、間違えて混入することがあります。
そのため、感染ゴミを捨てる際は「スペースがもったいないから」と中身を押しつぶそうとするのは禁忌。
足などで踏んで詰めようとして刺さる事例があるので、押し潰さずにそのまま捨てましょう。
✔️ 血液回路の鋭利な部分を処理せずに廃棄した場合
生理食塩液を使用する施設の血液透析回路には、
生理バッグに接続するための「プラスチック針」部分があります。
このプラスチック針の部分が露出した状態でゴミ箱に破棄すると刺さります。
・回路を閉鎖にする
・スパイクを切り離しておく
これらの対応を確実に行うようにしましょう。
✔️ 鋭利な感染ゴミ箱を満タンにした場合
鋭利な感染ゴミ箱は満タンにしてはいけません。
・針が箱を貫通することがある
・捨てた針がバウンドして外に飛び出すことがある
過去に満タンになったゴミ箱を足で蓋を閉めようと頑張って踏んでいたら、
中の針が貫通して足につき刺さった事例がありました。
恐ろしいことに「ゴミ箱関連の針刺し事故」はほとんどの場合、第3者が被害を被ります。
私の経験ではゴミを処理しようと思った看護助手さんが被害に遭うことが圧倒的に多いです。
看護助手さん達は、感染に対する知識や注意点を知らないで処理をしている方もいます。
スタッフを守るためにも注意しなくてはいけません。
針刺し事故からスタッフを守るために
針刺し事故を完全になくすことは難しいのかもしれませんが、
発生するタイミングと対策を把握しておくことは必要です。
対応まとめ
穿刺時の針刺し事故に対する対策
- 超重要:針刺し防止機能付き針を使う
- 使用した針はすぐに専用BOXに捨てる
- 回路からの採血は針を使わずに済む回路を選ぶ(ニードルレスアクセスポート)
調剤時の針刺し事故に対する対応
- プレフィルドシリンジの薬剤を使う
感染ゴミ箱関連の針刺し事故に対する対応
- ゴミ箱は満タンにしない
- 中身をもったいないからと押し込もうとしない
- 針を捨てるゴミ箱を間違えない
- どんなものが捨てられてるか知らないスタッフがいたら危険性を教える
もし針刺し事故を起こしたら
針刺し事故で問題となる血液感染。
もしスタッフが「針刺し事故」を起こしてしまった場合、
ワクチン摂取などの対応で感染率を低下させることができる可能性があります。
そのため、普段から施設で
という対応を決めておくとスムーズな対応が可能になります。
感染症は今後の人生にも影響を与えます。
自分を守るためにも、絶対にこの対応は確認しておきましょう。
把握していない方は、この機会に自施設の対応を調べておくと良いと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
少しでも役に立つ情報があれば幸いです。
今回はここまで。
それでは!
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