もし目に血液入って感染しちゃったら今後の人生に影響しちゃうよ。
どんな場面で「血液の飛散」が起こるのか知りたいな。
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- 血液が目に入るタイミング
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- 感染防止策
・透析室経験 12年
・臨床工学技士
・透析クリニック責任者
・大学病院、5つの透析クリニックで勤務経験あり。
透析室経験は長いので参考になるはず!
先日、透析室の感染対策として「針刺し事故」が起きる場面を記事にしました。
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患者さんを感染から守る対策も必要ですが、当然私たちスタッフを感染から守る対策も必要。
透析室でスタッフが気をつけないといけないのが血液感染。
「針刺し事故」や「血液が目に入る」ことで感染が成立する可能性があります。
私が12年働いてきた中で、
発生件数が多いのは「針刺し事故」より「血液が目に入る」という事例。
何気なく業務をこなしているとあまり意識しないかもしれませんが、血液が飛散する場面はたくさんあります。
危険な場面を把握して、感染に気をつけていきましょう。
血液が目に入るタイミング
穿刺をするとき
必ず開始時に行うことになるバスキュラーアクセスへの穿刺。
対象となる血管は、内圧がとても高く吹き出すタイミングを狙っています。
穿刺がうまくいかず、皮下で針を調整するときは要注意!
もし針先が血管をかすめていた場合、針を引き抜きすぎた時に血管内から血液が吹き出します。
気をつけましょう。
3方活栓を使う時
治療中に3方活栓を使う場面がいくつかあります。
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- シングルニードルを選択する時
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- 治療中のトイレ離脱
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- AかV片方の穿刺に時間がかかり、回路凝固防止で空回しする時
血液飛散につながるのは、3方活栓の向きを間違えてしまった場合。
冷静な状態なら間違えないですが、焦って向きを間違えてしまうことが多いようです。
透析中に針先の確認をする時
透析中に警報が発生。
装置を見ると静脈圧上昇警報です。
静脈圧上昇警報の原因は色々あるけども、
その中の一つに、針先に血液が凝固したものが詰まり、流れを妨げることがあります。
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この原因が疑われる時は、シリンジで針先の血栓を除去する必要があります。
この際に、回路と針の接続を外しますが、静脈圧が高くなっているため血液が吹き出します。
・血液が戻せなくなっちゃう。
抜針する時
抜針時は血液飛散の起きる危険なポイント。
個人的には一番遭遇頻度が高いです。
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- 外筒のしなり
- 針を抜いた後の回路が落下する
私の経験上、針刺し事故は0件ですので頻度としては多めです。
1. 外筒のしなり
針を血管から引き抜く際は危険です。
外筒をしなる形で引き抜くと、抜いた針が元に戻る時に血液が飛散して目に入ります。
2. 針を抜いた後の回路が落下する。
抜針の時に、穿刺針と回路をつなげたまま抜く場合は要注意。
抜いた針をすぐに処理せず、
「1本抜いたら腕のそばにおいて、もう1本を抜く」
とやっていると、
回路の重みで血液がついた穿刺針ごと勝手に動いてしまい目に入ることがあります。
血液飛散の対策
血液飛散の対策としてあげられるのは以下の通り。
- メガネやゴーグルをつける
- 逆流防止弁付き穿刺針を選ぶ
1. メガネやゴーグルをつける
透析室は基本的に血液飛散が多い場所。
少なくとも穿刺、血液回路を操作する処置、回収・抜針時は必ず装着しましょう。
施設としてゴーグル着用を義務付けるのが一番です。
そうでない場合、普段メガネをしない人も伊達メガネでもしておいた方が絶対にいいと思います。
スタッフを血液飛散から守るために
透析では血液を扱うため常に血液が目に入る危険性があります。
正直、血液飛散を0にすることは不可能だと思いますが、
よく起きるタイミングを把握することは、事故防止に役立ちます。
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- 穿刺の時
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- 3方活栓を使う時
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- 透析中に針先の確認をする時
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- 抜針の時
- メガネやゴーグルをつける
- 逆流防止弁付き穿刺針を選ぶ
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