こんにちは、こつぶです。
透析患者さんが透析をするうえで欠かせない「バスキュラーアクセス」
透析を担当する中でとても大事なことなので、毎年学生に
- 十分な血流量を確保するのに必要なもので、患者さんの体に造設されるもの
- バスキュラーアクセスには種類があり、そのうちの一つが「内シャント」と呼ばれる。
ということです。
血液透析は大量の血液を取り出して、体に戻し続ける必要があります。
血液透析はどうやっているか?
まず質問です。
答えは、体から取り出した「血液」を「ダイアライザ(人工腎臓)」に通すことで、
毒素を取り除いたり、余分な水分を取り除き、体に戻すことで治療をしています。
ダイアライザに通す血液が多くなれば、治療の効率もあがります。
じゃあ、どのくらいの血液をダイアライザに通せばよいかというと、だいたい1分間に200ml。
10分治療をすれば、大きいペットボトル飲料1本分くらいの血液量です。
これを4時間~5時間続けます。
4時間だと48リットルにもなりますね。
つまり
血液透析を行うには、長い時間たくさんの血液を取り出し続ける必要があります。
(今は、onlineHDF治療などもメジャーになってきていることもあり
1分間に300mlくらい取り出すことも珍しくありません。)
どうやって大量の血液を取り出すか?
そこで次の質問です。
ちょっと考えてみましょう。
・
・・・
わかりました?
正解は
「血液がたくさん流れている場所に針を刺して取り出す」
です。
血液がたくさん流れている場所はどこかというと
「動脈」です。
- 動脈は体(腕)の深いところにあり、針を刺すのが困難
- 針を抜いた後の止血も難しい
- 失敗した時に血種形成など合併症発生リスクが大きい
- 医師以外に実施を認められていない
- 1分間に大量の血液を取り出す
- 穿刺がむずかしい
- 動脈穿刺にともなうリスク
という問題を解決するために作られるのが「バスキュラーアクセス」です。
バスキュラーアクセスの種類
バスキュラーアクセスの種類は1つではなく、患者さんに合わせて選ばれます。
大別すると、シャント・非シャントに分けられ、さらにその中に種類があります。
臨床で
と話に出る場合は、自己血管内シャントを意味していることが多いです。
シャント 心臓に負担がかかる
-
- 自己の血管を使用 内シャント(AVF)
- 人工血管を使用 内シャント(AVG)
非シャント 心臓への負担はない
-
- 動脈表在化
- 短期留置カテーテル
- 長期留置カテーテル
この中から
- 患者さんの心臓の機能
- 患者さんの血管の状態
を考慮して選ぶことになります。
バスキュラーアクセスのまとめ
といくところですが、ここで一度まとめます。
バスキュラーアクセスとはなにか?という質問に対する答えは
- 透析をするために必要な血液を体から取りすために、患者さんの体に造設するもの
- 大別するとシャントと非シャントに分けられる。
です。
これらの基本を押さえて、
バスキュラーアクセスの種類について勉強していくと理解しやすいです。
それでは。
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