「あ~もう!穿刺ぜんぜんうまくならないし透析室やめよっかな!」
俺ってセンスないなぁ。。。
透析施設の現場責任者をしており、
50人以上のスタッフの穿刺の悩みを聞いてきました。
そもそも穿刺の「センス」とは何か?
- 血管の横から芸術的な穿刺を決める?
- 鮮やかに刺す?
- 初めから穿刺成功率が高い
- 難易度の高い血管をどんどん成功させていく
- 初めての血管でも成功率を高い成功率を維持する
つまり、はじめっからうまくて上達が早いんです!
- 初めから成功体験が多い
- 穿刺に自信が持てる
- さらにいろいろな血管を成功させる
- さらに自信を持つ
- うまくいかないことが多い
- 嫌になる
- 穿刺したくなくなる
- 苦手意識をもつ
という流れですね。
(もちろんセンス〇の人も、うかれているとすぐに伸び悩みますが・・・)
う~ん、うらやましいですな!
正直、もし同期にこんな人がいたら比較もされるし
自信なくしちゃいますよね・・・
苦い経験
始めたころは「絶望的にへたくそ」でした。
センスがないとダメなのか?
こんな「センス〇」な人たちを目の当たりにして
と思うのはちょっとまってください。
なぜかというと、
苦手な血管があっても、経験を積むことで、ある程度対応できるようになるからです。
例えば50名の患者さんが通っている施設があるとして
・センス〇なひと
4か月で50名の患者さん全員を対応可能になった。
・センス?な人
1年と時間はかかったけれども、50名の患者さん全員の対応が可能になった。
できるならセンス〇の道を歩きたいですが、1年後の結果は同じです。
スポーツや芸術と違い、穿刺に求められるのは安定して血管に留置するという結果です。
最終的に高い成功率を維持できるようになれば、
患者さんにとって「センスのあり・なし」は関係ないですね!
と思っていた人とも5年くらいするとあまり成功率は変わらなくなりました。
「やっぱりうまいなぁ」とは思いますけどね。
ただ経験をつめばうまくなるのか?
よかった~。
と安心する前にしっておいてほしいことがあります。
「ただ経験を積んでいくだけの人」と「失敗経験を無駄にしない人」ではどうちがうか?
「失敗経験を無駄にしない人」の方が
- 上達のスピード
- 到達する穿刺のうまさ
が明らかに高いレベルになります。
ただただ経験を積むだけでは、残念ながら上達はあまり見込めません・・・
成功だけでなく失敗からも学ぼう!
- 血管の左or右に針があり、血管を捉えられなかった。
- 血管は捉えたが、後壁を貫いてしまった。
- 穿刺の際に血管が動いてしまい失敗してしまった。
- 駆血が弱く、血管の怒張がよわかった。
このような理由がみていると多いですね。
理由を推測することで、次回穿刺に行くときに気を付けるべきポイントが浮かんできます。
1.血管の左or右に針があり、血管を捉えられなかった。
の理由では、穿刺針を皮膚に差し込む位置がずれていることが推測されます。
2.血管は捉えたが、後壁を貫いてしまった。
という理由では、血管にはアプローチできたが内筒を進め過ぎたor刺入角度が大きすぎた。
まとめ:「センス」よりも「原因を分析する習慣」をもとう
今回の記事をまとめると以下のとおりです。
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- センス〇は上達が早い(気を抜かなければ)
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- 穿刺の目標は「血管に針を留置する成功率を高めること」
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- 上達のスピードは違うが、安定して可能になる
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- センス〇もセンス?も毎回、特に失敗した時の分析が上達への近道
透析業務で穿刺は避けることができないので、大きなストレスを抱える人も多いと思います。
透析室を離れる理由にすらなりますが、
うまくなってくると患者さんからもとても信頼される材料にもなります。
ここまで、過去の自分や相談に乗った後輩を思い出しながら書いてみました。
少しでも見てくれた方の参考になるといいなと思います。
それでは!
過去に自分も読み漁った穿刺についての本です。
血管の写真やアプローチ方法などの具体例も満載なので
併せて読むと、なお上達の近道になります。
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