他の施設ってどうしてるんだろう?
- 穿刺順番は患者さんが来院した順
- 医療機関側で順番管理をしていない
- 入室時間前になると入り口に患者さんが並んでいる
こんな感じの施設の方むけの記事です。
これまで7つの透析室で働いた経験があり、各施設の穿刺順番を見てきました。
そこで感じた穿刺順番に関する結論は、施設がルールを作って管理した方が良いということ。
今記事では僕の経験から、「来院順の穿刺順番」にするメリット・デメリットを紹介します。
自分の施設の穿刺順番に悩んでいる方の参考になると嬉しいです。
それでは説明していきます。
透析室の穿刺順番 来院順のデメリット
病院スタッフの立場としての理由です。
- 患者さんの来院時間が早くなる
- 体重測定ミスが増える
- 患者間トラブルが多い
- 順番を覚えるのが大変
- 穿刺しづらい
患者さんの来院時間が早くなる
わりとよく聞く話ですが、穿刺順番を来院順にすると、早く透析を始めたい方達が競うように早く来院してきます。
これはしょうがないことで、決まりがなければそうなります。
でも、患者さんが早く来すぎることに施設側のメリットはありませんよね。
- 開院前の玄関に並んでいる
- 施設の準備ができていない
- 朝の準備に集中できない
- 嫌な情報共有をしていることも
✅ 開院前の玄関に並んでいる
競うように来院するので、とても早い時間から来る方もいます。
ただ待っているだけならまだいいですが、例えば真冬の早朝なんかはすごく寒いので体に負担がかかります。
玄関前で倒れていた。なんて事例もありますのでいいことはありません。
患者さんからしても早くきて1番かと思ったら、他の人が先にきていた。
なんてことも「あるある」なのでストレスにもなります。
✅ 施設の準備ができていない。
大きな病院で起きやすいですが、まだ準備していない待合室に患者さんがなぜかいる。みたいなことがあります。
セキュリティーの問題や、空調設備を余分に動かさないといけないコストもかかるし、やはりいいことはないですね。
✅ 朝の準備に集中できない。
準備中に患者さんの対応が入ることがあるので、シンプルに準備が遅れます。
✅ スタッフが話のターゲットになることも
早く来た患者さん達でグループを作り、話をしていることもあります。
患者さん同士、ためになる話ならいいのですが、
など、スタッフにとって働きにくくなる話をする人もいます。
もちろんフォローしてくれる方もいますが週3回、長い時間待合室で待っていると話の内容も偏ってくることもあるみたいです。
体重測定ミスが増える
患者さんたちが競うように早くくるようになると、入室時間になる頃にはかなり長い時間待っていることもよくあります。
入室が9時なのに、7時から待機する人もいます。
この状態で入室をすると、これまた競うように次々と体重計に乗ってくるという現象が起きます。
こうなると、体重測定係の人に「早くしてよ」プレッシャーがかかります。
すると、確認も疎かになりやすく、結果的にミスが誘発されます。
医療安全的にもマイナスですね。
患者間のトラブルが多い
理由は施設で穿刺順番を管理していないから。
よく聞くトラブルは下記の通り。
- 「私の方が先だった」
- 「順番を抜かされた」
- 「あの人は荷物だけ置いて順番を取るんだ」
このようなトラブルは日常茶飯事。
当事者同士の話だと、どちらの言い分が正しいかもわからないので解決も困難です。
他にも
といった言葉も聞いたことがあります。
患者さん同士のトラブルは、その後の施設運営にもモロに影響するので避けたいものです。。
順番を覚えるのが大変
透析室は広いので、特に法則性もなく来院順で始めるシステムだと穿刺順番を把握するのが大変。
しかも、患者さんはスタッフの動きをよく見ています。
順番を間違えようものなら、
と即クレームに発展することも多いです。
細心の注意が必要です。
時間に追われる
患者さんは朝早くから来ている人が多いので、今か今かと透析開始を待っています。
背中に「まだかよ〜」という視線を感じることも少なくありません。
その圧迫感を感じながらの穿刺業務は、結構シンドイですし、若手のスタッフの場合は焦って穿刺ミスにも繋がることもあります。
透析室の穿刺順番 来院順のメリット
次は穿刺順番を来院順にするメリットです。
以上。
いいことは「ない」です。
穿刺順番は施設で管理しよう
メリット・デメリットを挙げましたが、「穿刺順番を来院順」にする1番の問題点は患者間のトラブルが多いことだと思います。
その点、施設で穿刺順番を決めておけば、順番に関するクレームは他の患者ではなく施設にきます。
施設側からすると大変かもしれませんが、患者さん同士の争いに対応することに比べれば遥かにマシです。
他にも、システムの方法によっては今記事で紹介したデメリットを全て軽減できる可能性もあるので一考の価値はあります。
これについては別記事で解説します。(作成中)
患者さんは週3回も通っているので、少しでも待ち時間やストレスを減らす方法にしたいものですね。
今回は以上です。それでは。
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